学校での読み聞かせ等ボランティア活動アンケート2008まとめ について

                 福知山YMCAブッククラブ : 堀京子

標題のアンケートは、私どもが、2008年1月から3月にかけて福知山市立小学校27校各校で読み聞かせ等のボランティア活動をしている方々を対象に実施いたしましたもので、「平成19年度「京都府地域力再生プロジェクト交付金」を受けた企画「図書館大好き市民講座」の一環でした。
 アンケートを通じ、日ごろ熱心にボランティアをしておられるご様子を伺うことができ、感謝でした。私事ながら我が家は今年、長男高3、次男高2、三男小6です。私自身は長男が小1(1997年)のころから三男が小3のころ(2005年)まで、初期は定期的に、後半は不定期にではありますが、約9年間、昭和小学校へ読み聞かせに通いました。最近はそれができていず、中学校、高校での読み聞かせも「いけるはず」という思いとは裏腹に日々が過ぎている・・・そんな毎日に、アンケートから皆様の温かい思いにふれることができ、元気と勇気をいただきました。今後もささやかに「図書館大好き市民講座」を継続したいと思っております。

アンケートまとめの概要
アンケートは、福知山市立小学校27校各校で読み聞かせ等のボランティア活動をしている方々を中心にお伺いし、全校からお返事をいただきました。
27校中23校(85%)でボランティアによる読み聞かせ等の活動が、高い頻度で定期的に行われており、素晴らしいと思いました。その23校中15校(65%)では各校のPTA会員(親御さん)が活動されていました。PTA会員も含むかもしれませんが「地域ボランティア」として活動されているのは23校中8校(35%)、文庫や外部のサークル等も含め複数のボランティアグループが活動されているのが23校中5校(22%)でした。
活動はここ3,4年の間に始まった学校が多かったです。福知山市立図書館による「読み聞かせ実践講座」(2003年〜)「子ども読書の日記念講演会」(2005年〜)なども活動の契機となったのかも!
活動の内容は、以下から回答(複数回答)いただきました(@絵本の読み聞かせA紙芝居Bお話(ストーリーテリング)CブックトークDペープサート・パネルシアターE人形劇F手遊び・歌G書架の整理H貸出・返却のお手伝いI本の修理J選書Kその他)。絵本の読み聞かせが最多でしたが、活動内容は多彩で工夫がこらされているようです。
絵本等の調達先としては、個人蔵書の貸借が最も多く、次いで、福知山市立図書館、夜久野分館です。学校図書館も利用しているのは6校。学校図書館蔵書数は各校平均3000冊くらいでしょうか。
活動を通して子どもたちに喜んでもらえていることが、ボランティアの方々の喜び、エネルギー源になっている様子をお伺いでき、うれしく思いました。

参考
学校図書館図書標準(文部科学省 平成5年3月)によれば、「3〜6学級の小学校では3,000+520×(学級数− 2)冊」、「7〜12学級の小学校では5,080+480×(学級数− 6)冊」、「13〜18学級の小学校では7,960+400×(学級数−12)冊」・・・などとなっており、例えば18学級の小学校の場合、10,360冊となります。
学校図書館法改正(平成15年度)により、全国の12学級以上の小・中・高等学校に司書教諭が配置されることになりました。


「図書館大好き市民講座」につきましては、両丹日日新聞2008年2月18日付に報告記事をご掲載いただきましたが、第1講座は15名、第2講座は11名、第3講座は17名の方々に受講いただき、感謝のうちに終了しました。以下に短くご報告いたします。

【具体的な内容】子どもと本、市民と図書館をつなぐボランティアを養成するため、下記のようにセミナーやボランティア養成講座を開催し、研修用資料の作成を行いました。

【図書館大好き市民講座】<テーマ>〜子育てに絵本を まちづくりに図書館を

<赤ちゃんの絵本箱>
平成20年1/15, 1/21, 1/28, 2/4, 2/18, 2/25, 3/3, 3/10, 3/17, 3/31(全10回)
わが子とともに福知山市ブックスタート事業で配布されるリスト掲載の絵本を読んだり、歌遊びを楽しんだりする通常の活動に加え、図書館大好き市民講座として、各自『読み聞かせわくわくハンドブック』(代田知子著 一声社)をテキストとし、読み聞かせについて学びました。

<第1講座>
1 日時・場所 平成20年2月11日(祝)11時〜12時30分 福知山市丹波生活衣館
2 参加者 15名
3 講 師 渡部幹雄さん:ライブラリーオブザイヤー2007を受賞された滋賀県愛荘町愛知川図書館館長。
4 内 容 
渡部さんから、愛知川図書館のサービスについて伺いました。これまで大分県、長崎県、滋賀県で町役場職員(公民館、資料館、町史編さん室、図書館、文化財調査)として勤務。著書に『図書館を遊ぶ―エンターテインメント空間を求めて』(新評論 2003)   『地域と図書館―図書館の未来のために』(慧文社 2006)があります。
・赤ちゃんから高齢者まで誰をも「排除しない」図書館。
・居場所としての居心地のいい図書館。
・世界へ 未来へ つながる 出会いの場である図書館。
心に残りました。

<第2講座>
1 日時・場所 平成20年2月12日(火)19〜21時 福知山市YMCA会館
2 参加者 11名
3 講 師 片山蓉子さん:元福知山市立小学校長。福知山市社会教育委員、保護司、福知山市立図書館協議会委員、同図書館基本計画策定委員、福知山市子ども読書推進計画策定委員。
4 内 容 福知山ワイズメンズクラブ例会として開催しました。2/15まで市民の意見募集のあった福知山市立図書館基本計画素案等について、わかりやすくおはなしいただきました。
「読書のまち 福知山」へ。いつでもどこでもだれでも利用できる図書館を!と強調されました。

<第3講座>
1 日時・場所 平成20年2月15日(金)17時〜19時  福知山市市民会館31号室
2 参加者 17名
3 講 師 橋本大也さん:ブログ「情報考学Passion For The Future」の 書き手として、2007年5月8日放送のNHKクローズアップ現代にも登場。IT企業の代表取締役、デジタルハリウッド 大学専任助教授
4 内 容 「インターネット時代の読書術&図書館活用術」について、おはなしいただきました。
“「キーボードで悪口を打たない」のは鉄則です”という姿勢に惹かれます。


<おはなし会の実施>
平成20年2月21日、京都府立中丹養護学校に4名が伺い、実施しました。

<研修用資料集・DVDの作成>
研修用資料集とDVDを作成しました。これに先立ち、福知山市立小学校27校各校で読み聞かせ等のボランティア活動をしている方々にアンケートを実施しました。また、ブックスタート事業の見学及び撮影を2月14日に福知山市保健センター、2月27日に綾部市保健センターで行いました。



「図書館は成長する有機体である」     (インドの図書館学者ランガナタン(1892-1972)の言葉)
ランガナタン(1892−1972 インドの図書館学者。コロン分類法創案者)の図書館5原則は有名。
「図書館は利用されて育つ成長体」
(滝野町立図書館5周年記念文集『うっとこの図書館』(2001)あとがきの言葉)
私の結論:私たち市民が、図書館のよき利用者、理解者となることで、よい図書館になりそうです!